今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「私、彼の友人とお付き合いしているの。でも、西園寺家から持ちかけられたお見合いをこちらからお断りすることなんてできなくて」
「俺としては、友人をふたりいっぺんに失うところだった。だからなんとしてでも見合いを断らなきゃならないと思って」
ああ。そうだったんだと腑に落ちて、肩の力がすとんと抜ける。
あれだけ性急に私を妊娠させようとしたのは、全部、彼女と友人を助けるためだったんだ。
ようやく理解して、なんだか妙に虚しい気分になった。
「だから結果的に私は、あなたと西園寺くんの結婚に助けられたの」
美濃先生は私に大きく頭を下げたあと、「おしあわせに」とだけ言い残して去っていった。
そのうしろ姿を、悠生さんはじっと見守っている。
「美濃さんのことをきちんと紹介しておこうと思って。以前、あのストーカー男から彼女の写真を見せられただろう? 気にしているんじゃないかと心配だったんだ。浮気なんかしていないって、ちゃんとわかってほしかった」
「そう……なんですね……」
悠生さんはそのことを私に説明するために、わざわざここに美濃先生を呼んでくれたのだろうか。
ふたりの関係はよくわかったけれど、今度は違う疑念が私の頭の中を占拠している。
「俺としては、友人をふたりいっぺんに失うところだった。だからなんとしてでも見合いを断らなきゃならないと思って」
ああ。そうだったんだと腑に落ちて、肩の力がすとんと抜ける。
あれだけ性急に私を妊娠させようとしたのは、全部、彼女と友人を助けるためだったんだ。
ようやく理解して、なんだか妙に虚しい気分になった。
「だから結果的に私は、あなたと西園寺くんの結婚に助けられたの」
美濃先生は私に大きく頭を下げたあと、「おしあわせに」とだけ言い残して去っていった。
そのうしろ姿を、悠生さんはじっと見守っている。
「美濃さんのことをきちんと紹介しておこうと思って。以前、あのストーカー男から彼女の写真を見せられただろう? 気にしているんじゃないかと心配だったんだ。浮気なんかしていないって、ちゃんとわかってほしかった」
「そう……なんですね……」
悠生さんはそのことを私に説明するために、わざわざここに美濃先生を呼んでくれたのだろうか。
ふたりの関係はよくわかったけれど、今度は違う疑念が私の頭の中を占拠している。