今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
「あの……西園寺先生?」
なにか気に障ることでも言ってしまっただろうか? 心配になって見つめ返すと、彼は低く押し殺した声を発した。
「……君にとっては、そのお医者さまが眞木先生なの?」
「え……?」
冷静でありながら、その奥に熱を押し込めているような瞳。
真剣に見つめられて、胸がざわざわと騒ぎだす。
こうして真正面から向き合うと、彼はとんでもなく綺麗な顔をしているからまいってしまう。
普段の柔らかな表情を知っているだけに、余計にドキドキして――って、なに意識しているんだろう私は。
「……あの、なにか?」
ごまかすように取り繕うが、声が上ずる。
困惑していると、彼の胸ポケットから電子音が鳴り響き、お互いハッとしたように我に返った。
携帯端末が鳴っているようだ。個人用ではない、たぶん院内で使う緊急連絡用の端末だ。私を掴んでいた手が離れた。
「はい、西園寺。……はい。ええ、他のメンバーは手術中で」
くるりとうしろを向き、私に背を向けたまま深刻そうな声で通話をする。
なにか気に障ることでも言ってしまっただろうか? 心配になって見つめ返すと、彼は低く押し殺した声を発した。
「……君にとっては、そのお医者さまが眞木先生なの?」
「え……?」
冷静でありながら、その奥に熱を押し込めているような瞳。
真剣に見つめられて、胸がざわざわと騒ぎだす。
こうして真正面から向き合うと、彼はとんでもなく綺麗な顔をしているからまいってしまう。
普段の柔らかな表情を知っているだけに、余計にドキドキして――って、なに意識しているんだろう私は。
「……あの、なにか?」
ごまかすように取り繕うが、声が上ずる。
困惑していると、彼の胸ポケットから電子音が鳴り響き、お互いハッとしたように我に返った。
携帯端末が鳴っているようだ。個人用ではない、たぶん院内で使う緊急連絡用の端末だ。私を掴んでいた手が離れた。
「はい、西園寺。……はい。ええ、他のメンバーは手術中で」
くるりとうしろを向き、私に背を向けたまま深刻そうな声で通話をする。