今夜、妊娠したら結婚します~エリート外科医は懐妊婚を所望する~
つまり、私がモニター室に入りたいとお願いすれば、科の違う眞木先生でも優先的に手術を見学できると。

眞木先生のお願いを聞いてあげたいというのもあるけれど、私自身も興味がある。

彼が得意と言っていた『助手』という仕事を見てみたい。

申し訳なさそうな顔をしている眞木先生に、私は笑顔で応じる。

「わかりました。ご一緒させてください――って逆かしら?」

建前的には、私が眞木先生に頼むかたちでなければならない。

「取材のために手術を見学したいので、付き添いを頼めますか?」

私がわざとらしくお願いすると、眞木先生は手を打ち合わせて「ありがとうー!」と私を拝んだ。


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