キミに好きだと伝えたい
高校1年生のときは同じクラスだったけれど2年生で離れてしまった。
でも日向は休み時間のたびにわたしに会いにきてくれたし登下校も一緒だったから全然寂しくなかった。
そう思っていたのはわたしだけだったのかもしれない。
「志穂そんな時計してたっけ?」
「え?あ、これ?うん、もらったの」
「へえ、なんかかっこいいな。みせて」
一瞬慌てた。わたしの目には今の日付と時間だけではなく未来の時間も表示されているから。
それになにかの拍子に横のボタンを押されてしまったらわたしは一瞬で未来へと舞い戻ってしまう。
そう思って腕からは外さずにそのまま日向の目の前まで腕を伸ばした。