キミに好きだと伝えたい
最悪な事態
*
「ゴールデンウィークどうする?」
「ああ、そういえばもうすぐか。早いな」
結局あのあとチーズケーキもたいらげたあかりの姿になぜだかものすごく元気をもらった。
そのおかげでいつも自分からは口にしない言葉を日向にいう。
いっつもわたしは待っているばかりだったから。
日向の態度からするに本当にゴールデンウィークという存在を忘れていたという感じ。
「どこか行きたいところある?」
「んー、そうだな。志穂は?」
「最近行ってないし遊園地行きたいな」
「遊園地かー。いいけど、でも俺普通に映画とか行きたいかも」
「え?」
もっと早く気づいておくべきだった。
最悪な状態に転がり落ちているということを。
なんで大丈夫だと安心しきっていたんだろう。
どうしてもう一度同じ道を歩むことしかできないのだろう。