キミに好きだと伝えたい
不思議な体験
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次の日学校にいくとどこから情報がもれたのかすでにそこら中に噂は広まっていた。
まあ高校に入ってから付き合ったものの、入学時からずっと一緒にいたわたしたちがこうして別々に登校してきて一言も喋っていないのだから無理もないかと思う。
「ねえ志穂ほんとなの?」
「うん」
なにが、なんてそんなことを聞かなくたってわかる。
むしろ別れたの?って聞かれた方がよっぽどつらい。
「あんなに仲良しだったのに」
そういいながらわたしの前の席にどすんと腰をおろしたのは中学から仲良しの里田あかり。
「・・・好きな人ができたらしいよ」
口にするもの嫌だし、そう口にした途端鼻の奥がつんとして泣きそうになる。
昨日散々泣いたはずなのにおかしいな。