キミに好きだと伝えたい
「冴島くんが喧嘩してるって!」
でもその言葉を聞いた瞬間わたしは立ち上がって教室を飛び出した。
おかしいなとは思った。
昼休みになったらいつもすぐに顔をだしてくれるから。
今日は授業長引いたのかなって。
でも教室にはすでに日向と同じクラスの子がきてたじゃないか。
はあ、はあ。
息があがる。
場所を聞き忘れたけど怒鳴るような声が聞こえてきてそれでわかった。
日向のあんな声を聞いたのは、はじめてだった。
日向が人につっかかっているのをみるのは、はじめてだった。
日向が人を殴っているのをみるのは、はじめてだった。
わたしだけ時がとまったようにその場から動けなかった。
騒ぎをききつけた先生たちがとめ、日向は連れていかれた。