キミに好きだと伝えたい
「とりあえずお風呂入ってきな。制服も乾かさないといけないし。風邪ひくよ」
でも優しいしお母さんのことは大好きだ。
はきはきとものを言えて、てきぱきと行動するのはわたしも見習いたい。
あかりが「はい」ともうひとつ箱の中のチョコレートをわたしの手の上にのせる。
いらない、そう言おうと思ったけどあかりは心配そうな顔でこっちをみていて、これはあかりの優しさなんだと素直に封をあけて口の中にいれた。
また甘さが口にひろがる。
「志穂と冴島のことだしわたしが口出すことでもないけどさ、もうそんな最低なやつ忘れちゃお、新しい恋しよ」
「・・・ありがとう」
正直昨日別れてすぐまた新しい人なんて無理だし、これ以上恋愛できる自信もなかった。
物心がついた頃から日向としかいなかったわたしは、日向がすべてだったんだ。
そしてその日向いなくなってしまったことに改めて傷ついて、少しだけ隠れて泣いた。