夢にも思ってなかったよ。

恵里菜の方は誰よそれ？といった表情で顔を歪ませる。
間違えてしまったのか。
じゃ、他の人は？
特に思い当たらず、彼女の返事を待つことにした。


「違う。
　あの人とは付き合っても直ぐに別れたって話忘れた？
　子どもの時からの好きな人よ。
　私はその人と結婚するつもりだったし、彼も同じ気持ちだと思ってた。
　その時までは社会経験じゃないけど、私以外とお付き合いしても良いけど結婚は私とすると思ってたから許してたの。」　


やっぱり違ったか。　
ん？
どういう意味なの？　　
結婚するまでは浮気はオッケーってこと？
大人の考える事は訳わからん。


「なんだか凄く大人の恋愛観だね。
　恵里菜にそんな人が居たなんて知らなくて、ごめんね。」