碧色の恋。
懐かしい夢を見た気がする。幼稚園生くらいの頃かな。
まだ"彼"との関係が良好だった時のこと。
『おおきくなったら、おれと───』
の後の言葉だけ、未だに思い出せない。
あの時、なんて言われたんだっけ??
私、遠野琴音(とおのことね)は急いで制服に着替え、顔を洗い髪を梳かす。朝は食べない派だから用意されたお弁当をスクールバッグに入れる。
「…っ」
ローファーを履いて玄関のドアを閉めた時だった。
夢の中に出てきた"彼"もちょうど家を出てきた。
彼は七瀬碧(ななせあおい)。同じマンションの隣の部屋に住んでいる幼なじみ。