碧色の恋。



「…な、なせく…」


スタスタと歩いていく七瀬くんの背中に小さな声で呼びかける。聞こえるはずもないのに、七瀬くんの足が止まる。


「なに?」


そしてめんどくさそうに後ろを振り向いて、返事してくれる。


「…椿先輩のブレスレットの色、なんて言うか知ってる?」


何を言ってるんだろうと自分でも思う。
もし知ってるって言われたら、私どうしたらいいんだろう。


「ブレスレット?さっきしてなかったけど」


お昼休みは付けてたのに、七瀬くんに会うためにわざわざ外してきたの??それもまた、理解できない。



「昨日、彼氏さんに買ってもらった…んだって
碧色のブレスレット」


"碧色"の言葉に一瞬七瀬くんが悩んだ顔をした。
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