碧色の恋。



昔はよく話をしていたけど高校生になると同時に
『俺とお前が幼なじみだってこと、誰にも言うなよ』と言われたためほとんど口を聞いていない。



呼び方も『あおくん』から『七瀬くん』に変えた。
私だけそう呼んでたら、変だしね。



気がつくと七瀬くんはもう既にエレベーターの方へ向かって歩き出していた。



「…行かないの?」



スマホをいじりながらだるそうに後ろを向いて声を掛けてくれた。七瀬くんから話しかけてくれるなんて珍しい。



「い、いく!」



小走りで七瀬くんの元へ行く。エレベーターに乗ったあとはお互い無言だった。いつものことだけど。気まずい。
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