碧色の恋。



何度も聞こうとした、けど「なんで?」って言われるのが怖くて、聞けなかった。私は携帯を持つのが高校生になってからだったから連絡先の交換のタイミングを逃してしまったのだ。


それでも七瀬くんとは隣同士だし別になくても平気かななんて思っているうちに、高2の夏休みになってしまった。


「そーいえば最近来ないね、椿先輩」


「3年生は進路のこともあるから、忙しいのかもね」


来てモヤモヤするよりかは、全然今の方がいい。
七瀬くんとの距離感もあるけど、それでもいい。


「七瀬くん、来週の花火大会一緒に行こーよ!」


同じクラスの女子からのデートのお誘いだ。
お願い、行かないで……。


「俺人混み嫌いだから、無理」


七瀬くんはあっさりとその誘いを断った。
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