碧色の恋。



「じゃあ七瀬くんはあの先輩と一緒に行くの?」


女の子が食い気味に問いかける。
その言葉に七瀬くんも少し驚いているようだ。



「行く理由がないんだけど。」


そう言って七瀬くんはスクールバッグを持ち、教室から出ていってしまった。




明日から夏休み。隣同士だけど七瀬くんに会えるかな。
コンビニでアイスを買ってマンションのエントランスに行くと、入り口に女の人が立っている。


「……ちょっと、いいかな」


その女の人は、椿先輩だった。今は七瀬くんじゃなくて、私に用があってここで待っていたのだろうか。


「な、んですか」


「ここじゃ邪魔になるし、どこか涼しいところに行きましょう?」


そう言って1番近くのカフェへと向かった。
< 31 / 124 >

この作品をシェア

pagetop