碧色の恋。
「じゃあ七瀬くんはあの先輩と一緒に行くの?」
女の子が食い気味に問いかける。
その言葉に七瀬くんも少し驚いているようだ。
「行く理由がないんだけど。」
そう言って七瀬くんはスクールバッグを持ち、教室から出ていってしまった。
明日から夏休み。隣同士だけど七瀬くんに会えるかな。
コンビニでアイスを買ってマンションのエントランスに行くと、入り口に女の人が立っている。
「……ちょっと、いいかな」
その女の人は、椿先輩だった。今は七瀬くんじゃなくて、私に用があってここで待っていたのだろうか。
「な、んですか」
「ここじゃ邪魔になるし、どこか涼しいところに行きましょう?」
そう言って1番近くのカフェへと向かった。