碧色の恋。
「あなた、名前は?」
「……遠野琴音です」
「琴音ちゃん、」
アイスティーを飲みながら、私の顔をずっと見てくる椿先輩。
今日はブレスレットを付けている。
「単刀直入に聞くね、碧くんとはどういう関係なの?」
きっとこの人にだって七瀬くんは幼なじみであることを知られたくないはず。
「同じ、マンションに住んでるだけです」
「そうだったんだ。てっきり彼女さんかと思っちゃった」
この人は何が言いたいんだろう、何がしたいんだろう。
「琴音ちゃん、前にこのブレスレットの色綺麗って言ってくれたよね」
七瀬くんに手紙を渡すように頼まれた時に、そんなことを言ったような気がする。そんなことまで覚えてるんだ。