碧色の恋。
「あ、碧〜これ琴音ちゃんと2人で食べてくれる?」
そう言ってチーズケーキを渡される。
この様子だと母さんは琴音の母親と花火大会に行く気だ。
「ん、わかった」
母さんは軽くメイクをした後、あっという間に出ていってしまった。息子の俺より子供っぽい。
──ピーンポーン……
琴音の家のインターフォンを鳴らすが、誰も出ない。
もしかして琴音も花火大会に行ってるんじゃないか。
そう思いつつ、ドアノブに手をかけてみる。
「あれ、開いてんじゃん」
玄関に入ると琴音のものと思われるサンダルと、
いかにも男モノのスニーカーが並んでいた。
いつの間に彼氏でも出来たの?
ていうか学校ではそんな素振りなかったのに……