碧色の恋。


「お邪魔します」


靴を脱いで、リビングのドアをあける。



「あーまた負けたー!!!」


と悔しそうな顔をする琴音と、


「はは、お前相変わらず弱いなー」


と楽しそうに笑う男がいた。


テレビ画面に映っているのはどう見てもスマ○ラ。
琴音のやつ、ゲームやってて気付かなかったのか。


「……琴音、インターフォン鳴らしたんだけど。」


そう声をかけると、琴音の顔色が一気に変わる。


「えっ、あっ、七瀬くん!?ご、ごめんなさい……」


さっきまでのテンションどこに行ったんだか。



「母さんからチーズケーキのお裾分け。」


その言葉に琴音の表情がパッと明るくなる。
わかりやすいというか、単純というか。
< 37 / 124 >

この作品をシェア

pagetop