碧色の恋。
「お邪魔します」
靴を脱いで、リビングのドアをあける。
「あーまた負けたー!!!」
と悔しそうな顔をする琴音と、
「はは、お前相変わらず弱いなー」
と楽しそうに笑う男がいた。
テレビ画面に映っているのはどう見てもスマ○ラ。
琴音のやつ、ゲームやってて気付かなかったのか。
「……琴音、インターフォン鳴らしたんだけど。」
そう声をかけると、琴音の顔色が一気に変わる。
「えっ、あっ、七瀬くん!?ご、ごめんなさい……」
さっきまでのテンションどこに行ったんだか。
「母さんからチーズケーキのお裾分け。」
その言葉に琴音の表情がパッと明るくなる。
わかりやすいというか、単純というか。