碧色の恋。



1階につくと七瀬くんはすぐエレベーターから降りた。
私も少し間を開けてから、降りた。



昔は隣に並んで学校まで歩いていたのにな。
いつからか七瀬くんの後ろを歩くようになっていた。



「琴音、おはよー!」



教室につくなり声を掛けてくれたのは桜庭(さくらば)しまちゃん。中学からの親友で唯一私と七瀬くんが幼なじみであることを知っている人。



「しまちゃん、おはよう」



「今日も相変わらずモテモテだね、七瀬は」



それと同時に私が七瀬くんを好きだと言うことも知っている人でもある。



「でも今日少しだけ話せたんだよ、七瀬くんと」



「ほんと!?良かったじゃん!」



ほんとにほんの少しだけ、だけどね。
< 4 / 124 >

この作品をシェア

pagetop