碧色の恋。
「ことちゃん、具合悪い?」
「え、だ、大丈夫だよ」
今更思い出したとしても、七瀬くんは忘れてるかもしれない。
もう覚えてないかもしれない。
子供の時の口約束だろ、なんて言われるかもしれない。
「ことちゃん!?どしたの!?」
「……うぅ…っ」
それでもやっぱり私は七瀬くんのことが好きなんだ。
「ことちゃん、落ち着いた?」
「うん、ありがとう。颯ちゃんごめんね」
あれからどのくらい経ったんだろう。泣きすぎて瞼が重い。
「ことちゃん、今日おれとデートしよ!」
「えっ?」
「じゃあおれあっちで待ってるから着替えてね!」
そう言い残し、颯ちゃんは部屋から出ていってしまった。