碧色の恋。


今日も、ブレスレットを付けてる。2人で。
彼氏さんはその色の意味、知ってますかって言いたくなる。


「ことちゃんお待たせ、知り合い?」


良かった、颯ちゃん戻ってきてくれた。
私は何も言わず颯ちゃんの腕を掴み、その場から逃げた。


「ど、どうしたの」


「何も聞かないでっ」


やっぱりこのショッピングモールは嫌だ。
悪いことしか起きない。


この後はお互い無言のまま、家へ向かった。
せっかく颯ちゃんが気を使ってデートに誘ってくれたのに。


「ごめんね、颯ちゃん」


「んーん、あの人に何かされたの?」


颯ちゃんには、話してもいいかな。
1人で抱えるのは、もう辛いよ。


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