碧色の恋。


「明日帰りたくないなぁ…」


「もう少し、泊まってく……?」


「……っ、だからねことちゃんそういうの、だめだよ」


颯ちゃんは私の上から降りると、玄関へ向かった。


「颯ちゃんどこ行くの?」


「コンビニ、アイス買ってくるね」


颯ちゃんはそのまま出ていってしまった。
家の中に1人。なんだか少し寂しい気がする。


「……暑いな」


バルコニーに出てみると、夕方だからか風もあり昼間に比べたらいくらか涼しかった。
七瀬くんも今部屋にいるのだろうか。


「…へぇ嫌いですか。同じですね俺も嫌いです。」


バルコニーを仕切る壁から七瀬くんの声がした。
誰かと電話しているようだ。


「あなたに名前呼ばれても、俺は嬉しくないです」
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