碧色の恋。



───キーンコーンカーンコーン…


チャイムが鳴った。
清掃の時間が終わりなるから、もう帰れる。


「この後も琴音と語りたいけど、バイトなのよねー!

ごめんあたし先に帰る!」


しまちゃんは猛ダッシュで行ってしまった。
さて、じゃあ私も帰ろう。


そう思っていたのに。


「琴音ちゃん、ちょっといいかな?」


下駄箱のところで、椿先輩に捕まってしまった。
なぜかその椿先輩の笑った顔が、怖かった。


「琴音ちゃんこの後用事ある?」


「いえ、ないですけど」


「じゃあちょっとだけ、いいかな?」



ちょっとだけなら……と思ったのに。
なぜか今私は椿先輩の彼氏さんの車の後部座席に座っている。
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