碧色の恋。



「……琴音に何したんですか」


七瀬くんの声がいつもに増して低く鋭い。
怒ってる…?そりゃあ急に呼び出したんだもんそうだよね


「な、なせく…ごめ……なさ……」


七瀬くんが私の肩を掴み、自分の方へ引き寄せる。
七瀬くんの匂いに包まれた瞬間、体がビクッとした。


「……ぅえ…」


七瀬くんと椿先輩に見られてるのが恥ずかしくなって涙が溢れる。やだ、何これ。どうなってるの。


「ふふ、ちょっとのお酒とちょっとの薬でこんなに反応良くなるなんてね」


"お酒""薬"という言葉が聞こえた気がした。
七瀬くんはチッと舌打ちをして、そのまま私を抱えた。




そう、世の中ではお姫様抱っこというやつで
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