碧色の恋。


「……えっと、誰だっけあんた。まあ別に誰だっていいけどある事ない事言わないでくれる?」


珍しく七瀬くんが怒っているようだった。
さっきまで持ってたはずのスマホもしまっているし…。


「や、やだな七瀬くんだって…」


「琴音、帰るよ」


由奈ちゃんの言葉を遮って七瀬くんが歩き出す。
颯ちゃんもしまちゃんもそれに続く。








「…ちょ、七瀬くん待って……」


マンションの近くの公園で私達は足を止めた。
それまで繋がれていた手が離れる。


「ことちゃん、さっきのって…」


颯ちゃんが心配そうに顔を覗き込んだ。



「…公園、入ろっか」


4人で公園のベンチに腰を下ろした。
あそこまで言われちゃったら、話すしかない。


ぐっと拳を握りしめ、重い口を開いた。
< 98 / 124 >

この作品をシェア

pagetop