碧色の恋。
「……えっと、誰だっけあんた。まあ別に誰だっていいけどある事ない事言わないでくれる?」
珍しく七瀬くんが怒っているようだった。
さっきまで持ってたはずのスマホもしまっているし…。
「や、やだな七瀬くんだって…」
「琴音、帰るよ」
由奈ちゃんの言葉を遮って七瀬くんが歩き出す。
颯ちゃんもしまちゃんもそれに続く。
「…ちょ、七瀬くん待って……」
マンションの近くの公園で私達は足を止めた。
それまで繋がれていた手が離れる。
「ことちゃん、さっきのって…」
颯ちゃんが心配そうに顔を覗き込んだ。
「…公園、入ろっか」
4人で公園のベンチに腰を下ろした。
あそこまで言われちゃったら、話すしかない。
ぐっと拳を握りしめ、重い口を開いた。