李世先輩は私のことを知り尽くしている?
「スカートなら、洗えばちゃんとキレイになるよ」
私を気遣ってくれているのが伝わる、優しい声。
それにつられて、ずっと下を向いていた視線を持ち上げる。
その瞬間、ずっと私に向いていたのだろう男子生徒の瞳が、私の目を捉えた。
「だから、安心して――――……ふふっ」
え?
突然、男子生徒の言葉が止まったかと思うと、こみあげてくるような笑みをこぼす。
急に笑い出しちゃって、どうしたんだろう。
制服の刺繍が青色だから、二年生の先輩みたいだけど……(一年生は、赤色)。
私がきょとんとしていると、先輩はまだ笑いながら、スクールバッグを指さす。