李世先輩は私のことを知り尽くしている?
「そろそろ中へ入ろうか。葉山ちゃんも心配してるだろうしね」
「は、はい!」
「――ああ、その前に、俺からも一つだけ」
「?」
「案外大胆な陽茉ちゃんを見習って、俺もグイグイ行こうと思うから、よろしく」
私なんかを見習わずとも、李世先輩は積極的な人だと思うけど……。
これから、生徒会長に立候補したりしたいってことかな?
「わ、わかりました!頑張ってください、応援しています!」
そう返事をすると、李世先輩はなぜか微妙な表情を浮かべた。
李世先輩の言葉通り、梓ちゃんは私の姿を見かけた途端、飛びついてきた。
遠見先輩も古瀬くんも、私のことを気にしてくれていたようで。
ほんっとーに、申し訳なかったなあ……。