李世先輩は私のことを知り尽くしている?
「早く拾ってきて、確認しなよ」
「……は、はいっ!」
私は派手に飛ばしてしまったスクールバッグを回収する。
スカートが汚れることなんて気にせずに座りこんで、先輩を背に、ファスナーに手をかける。
かわいらしいパステルカラーのハンカチに包まれた弁当箱を、おそるおそる開けると……
「よかったあ……」
お母さん特製のスペシャル弁当は、多少形が崩れてしまったものの、ほとんど無傷だった。
これを食べるために、がんばって学校に来れたんだから!
丁寧にお弁当箱をしまってから、私は立ち上がる。
「どう?お弁当、無事だった?」
「は、はい、おかげさまで!」
「そう。ならよかった」