李世先輩は私のことを知り尽くしている?
【ええと、必要なものは……つぼみちゃん、出血はひどくないけど、一応消毒はしておいた方がいいかな。ていうか、自力で戻れないよね、これ……。】
先生の力を借りても、重症のつぼみちゃんを抱えて上がるのは無理そうだ。
やっぱり、プロの力を借りないと。
十分な情報を得られた俺は、ようやく陽茉ちゃんから目を離す。
少し、名残惜しい気はするけど。
「よし、分かった。陽茉ちゃん、もう少しだけ待っていて!」
そうして俺は、詳細な状況を先生や救急隊の人に話し、結果的にスムーズに二人を引き上げてもらうことができた。
例の二年はこっぴどく叱られ、反省しているようだった。
こんな大事になってしまったんだし、当分は大人しくしているだろう。
軽傷とはいえ陽茉ちゃんを傷つけたんだ、もし懲りていないようだったら――
俺が、痛い目を見せてやる。
お前らのくだらない悪事のこと、いくつも握っているからな。
覚悟しておけよ?