李世先輩は私のことを知り尽くしている?

スカートの土を払い、先輩へと視線を移すと、ニコニコと楽しそうな表情を浮かべていた。


あ。この先輩、改めて見ると、かなりのイケメンさんだ。

今まで気づかなかっただなんて……私、よっぽどお弁当のことで、頭がいっぱいになっていたみたいだ。



……あれ?


そういえば、さっき先輩は、

『どう?お弁当、無事だった?』

って、聞いてくれたけど……


先輩の位置からは、私がお弁当の中身をチェックしていたこと、分からないよね?

それに、その前の『早く拾ってきて、確認しなよ』ってセリフも、スクールバッグの中に気がかりなものがあるって、知っていたみたいだ。



……私、スクールバッグに入ってるお弁当がぐちゃぐちゃになってないか心配、なんて口に出したっけ?

いいや、口下手な私に限って、それはない。


なら、ど、どうして、分かったの⁉
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