李世先輩は私のことを知り尽くしている?
どうしてこんなにも李世先輩のことを考えているかというと、これから会いにいかなくちゃならないからだ。
1日目に撮影した、李世先輩が写っている写真を渡すために。
私はプリントアウトして封筒に入れた写真を、何枚かチラ見する。
ああ、何度見ても海をバックにした李世先輩、カッコいいなあ。
――問題なのは、私とのツーショット写真。
私が緊張でカチコチになっているものは梓ちゃんが削除してしまっていて、李世先輩がぶつかられそうになった私を抱き寄せている写真しかないんだよね。
梓ちゃん、なんて瞬間をカメラにおさめたのっ……⁉
渡すの、李世先輩だけの写真だけじゃダメかなあ。
……先輩のことだから、ニコニコしながら「ツーショットもちょうだい」って言ってくるよね。
ふう。……行くしかない。