李世先輩は私のことを知り尽くしている？

答えられずにいると、ずいと私に近づいて、北条くんは人差し指を掲げる。




「迷ってるなら、一週間、お試しで付き合ってみるのはどう？返事はそれからでもいいからさ！」


「え、えと……」



「ひとまず、一週間だけ！」


「わ……分かった」






押しの強い北条くんに流されて、私はつい、うなずいてしまった。



「よっしゃ！じゃあさ、カレカノっぽく、陽茉って呼んでいい？オレのことも、江真でいいから」

「う、うん。じゃあ、江真くんって呼ぶね」


「よろしくな、陽茉」


「こ、こちらこそ」



満面の笑みを浮かべる北条くん……いや、江真くん。


江真くん、笑顔がすごくかわいいな。


見た目は少しキツそうだけど、笑うと目尻が下がり、ちらりと八重歯がのぞいて、一気に柔和な印象になる。


だけどやっぱり言葉遣いは男の子っぽくて、なんだか不思議な感じ。





でもどうしよう、ほぼ初対面みたいな人と、一週間とはいえ、いきなりお付き合いだなんて。


正直、うまくやっていける自信がない。


きっと、退屈させちゃうだろうなあ。


そうか、そういうのを含めて、「お試し」ってことか。