李世先輩は私のことを知り尽くしている?
「明日、なにか約束してるの?」
「うん。帰りに、どこかに寄ろうって」
「そっか、楽しんでね」
「ありがとう」
その後、すぐに担任の先生が来て、STが始まった。
いつの間にか、私は考える。
――クラスのモテ男子に告白されるなんて少女マンガみたいなこと、地味な私にとって、夢みたいな出来事なはずなのに。
なんだかずっと、モヤモヤが収まらない。
どうしてだろう。
江真くんと話したのは昨日が初めてだったのにも関わらず、あんなに楽しかったのに。
……分からない。
気を紛らわすように、私は授業に集中した。