李世先輩は私のことを知り尽くしている?
江真くんとの時間
江真くんとショッピングモールへ行った翌日から、私たちは本格的に距離が縮まった。
今までは一緒に下校するくらいだったけど、朝も途中で合流して登校したり、お昼にお弁当を食べたりと、学校生活の中でより長く接するようになった。
一方、李世先輩とはあれきりで、今まで以上に気まずい状態になってしまった。
このまま時間が経っていけば、李世先輩とは何のかかわりもない、ただの先輩後輩に戻っちゃうのかなあ……。
一人になったお昼休みに、無意識にため息がこぼれた。
その瞬間、ものすごく強い視線を感じる。
自然教室以降、なぜかしきりに私のことを気にするようになった、古瀬くんだ。
いつもは目が合うと、何事も無かったように目を逸らすけど、今日は違った。
委員会の仕事で教室にいない梓ちゃんの席に、当たり前のようにぬっと座る。
「悩みがあるなら、聞きますよ」
「え、ええっ⁉」
「他言はしませんから」
……古瀬くん、なんだかキャラが変わったよなあ。
こんなにグイグイくるタイプだっけ?
……まあ確かに、古瀬くんならむやみに人に話したりしないよね。
数十秒考えこんだ末に、私は古瀬くんに相談してみることにした。
「え、えっとね、実は――」