李世先輩は私のことを知り尽くしている?
放課後、私たちは教室に残って、他の生徒が下校するのを待った。
ようやく私と江真くんだけになると、自然と視線が合わさる。
部活動でにぎやかなグラウンドを見渡せる窓をバックに、江真くんは右手を差し伸べる。
「陽茉。このまま、オレとお付き合いしてくれるよね?」
私は自分に向かって伸ばされた手に目を向ける。
その大きな手のひらに、私の右手を重ねる――
――ことは、なかった。