李世先輩は私のことを知り尽くしている?

翌日から、クラスメイトにそれとなく探りを入れると、やはり俺に彼女がいるというウワサがたっていることがわかった。


それもなぜか、美人という尾ひれつきの。



火のない所に煙は立たぬ、というけど、俺はどうやって煙が上がったのか、見当もつかなかった。


そこで青矢に相談してみると、俺にとっては思いもよらぬ答えが返ってきた。



「お前を知っている誰かが、お前が美和さんと一緒にいるところを目撃したんじゃないか?」

「え、美和姉?」


「幼い頃から顔立ちは似ているが、今は一目で姉弟だとわかるほどではないからな。遠目で見れば、恋人に間違われてもおかしくないだろう」


「マジかー……」




どうしてあの場で気づけなかったんだろう。


この人は俺の3つ上の姉だよって弁解できていれば、陽茉ちゃんはあの男じゃなくて、俺についてきてくれたかもしれないのに。



……今更どうこう言っても仕方ないか。



陽茉ちゃんが、俺と接触することに抵抗があるようなそぶりを見せる理由は分かったことだし、次はあいつだ。


陽茉ちゃんとのお付き合いは『ゲーム』である以上、いつかネタばらしするタイミングがやってくるはず。



それによって陽茉ちゃんが傷つけられる前に、どうにかしてあいつの本性を暴かなければ。





……気は向かないけど、二人の動向を探るためには――
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