李世先輩は私のことを知り尽くしている?
……さて、と。
古瀬くんが行っちゃったから、一旦、李世先輩との通話は切れたけど……どうしよう。
自分のスマホを取り出すと、ついさっき、李世先輩からメッセージが届いていた。
『陽茉ちゃん、会いたい』
ストレートなメッセージに、私はくすりと笑いながらも、胸がはずんだ。
『私も、李世先輩に会いたいです』
『でももう、しばらくは学校ないんだよね……』
きっと落ち込んでいるであろう李世先輩に、私はある提案をもちかける。
『実はついさっき、和くんからもメッセージが届いていたんです』
『へえ、なんて?』
『よかったら、三日後にある夏祭りで……ダブルデートしないかって。要するに、四人で一緒に行かないかってことですけど』
『いいね、行こう!ああ、橘くんに足を向けて寝られないなあ』
『ふふ、なんですか、それ』
李世先輩が本気でそう思っているのが伝わってきて、私はくすりと画面越しに笑ってしまった。
でもホントに、和くんには感謝だなあ。