李世先輩は私のことを知り尽くしている?
意外なお誘い

李世先輩と、賭け⁉

あれから一週間後の、午前11時。


三時間目の体育の授業が終わりを迎えようとしていた。


「ようし、今日はこれで解散!片付け当番は残るように!」



先生の声を皮切りに、みんな口々に話し始める。


「はあ~終わったあ」

「次の授業、何だっけ?」

「古典じゃね?」

「よっしゃ寝れる」

「今日はさすがに疲れたわ……」




ぞろぞろと校舎へ歩いていくけど、その足取りは覚束ない。


私なんて、もっとへとへと。


今日の体育は、長距離走だったのだ。


はあ、走るのって、苦手だなあ……。



「陽茉、あたし今週当番だから、先に教室戻っておいて!」

「うん、わかった!」


梓ちゃんに手を振って、私もみんなの後ろを歩き始めると。




「あっ、あそこにいるのって、李世先輩じゃない⁉」
「ホントだー!体操服姿もイケメンすぎ!」



クラスメイトの黄色い声が、耳に響く。


視線を遠くへ向けると、ちょうど李世先輩が昇降口から出てくるところだった。


李世先輩のクラスは、四時間目が体育らしい。


このまま歩けば、李世先輩とすれ違うけど……。


「こんにちは」くらい、声をかけた方がいいのかな?


でも、お友達と一緒みたいだし……私なんかが話しかけたら、迷惑かも。
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