李世先輩は私のことを知り尽くしている?
「この後の計測で、もし俺が最高記録を塗り替えられたら、陽茉ちゃんは一つだけ俺のお願いを叶える。どう?」
「え、ええと……」
李世先輩のお願いって、一体なんなんだろう。
すぐに了承しちゃって、大丈夫なのかな。
答えられずにいると、先輩は再び口を開く。
「もちろん、俺が最高記録を出せなかったら、陽茉ちゃんのお願いをなんでも聞くよ。賭けだからね」
わ、私が、李世先輩にお願い⁉
「さあ、どう?どう?」
「……わ、分かりました」
先輩の勢いに負けて、ついうなずいてしまった。
「やった。俺、本気出すから、見ててね」
でも、先輩は本当にうれしそうで。
……私に、なにをお願いしたいんだろう。