李世先輩は私のことを知り尽くしている?

見たことのない笑顔

なんとか休憩時間内に着替え終えて、古典の授業が始まった。


教科担任はおじいちゃん先生で、絶対に当てないことで評判。


だから、長距離走に持っていかれた体力を回復するように、ほとんどの生徒が夢うつつだ。

しっかりした性格の梓ちゃんもさすがに疲れたようで、時々頭がかくんと下に揺れている。


私も、いつもならうとうとしていただろうけど……今日は違う。



なんといっても、李世先輩との約束があるのだ。



そのおかげか妙に頭がさえていて、全然眠くない。


私は先生の動向を伺いつつ、窓の外へ視線を移す。


障害物も少なくて、李世先輩のクラスの様子がバッチリ見えた。



李世先輩は――あ、あそこだ。


みんなより頭一つ分背が高いから、すぐに判別がつく。


今、スタートラインで構えている人たちの次が、李世先輩の出番だ。
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