李世先輩は私のことを知り尽くしている?
昇降口に続く階段を上がりながら、梓ちゃんはそう言って笑うけど……



私は違う。


キレイな桜の木の下で、抱えきれないくらい大きなお弁当箱を広げて、いっぱいに詰まったおにぎりやおかずをほおばりたい。


おかずは何がいいかな?


からあげに卵焼き、タコさんウィンナー、ミートボール――。


下駄箱にローファーをしまいながら、頭の中に、たくさんのおかずを浮かべる。



スリッパをはいて歩き出したその時、ふと、見覚えのある先輩と目が合った。






「……ふふっ」

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