李世先輩は私のことを知り尽くしている?
その瞬間、なんと先輩は、吹き出した。
体を震わせて、耐え切れないというように膝を曲げて、座りこむ。
「り……李世先輩っ」
私が小さく声をかけると、先輩はうずめていた顔を上げる。
大きくて、澄んだ瞳には、涙がにじんでいた。
笑いすぎたせいで、涙が出たらしい。
「おはよう、陽茉ちゃん」
李世先輩はしゃがみこんだまま、上目遣いで私を見つめて、微笑む。
「お、おはようございマス……」
いつもより距離が近い分、余計にまぶしい。
サラサラの髪に、少しだけ日焼けした白い肌。
くっきりした二重に、長いまつげ。
吸いこまれそうな、黒い瞳。
――やっぱり、カッコいい。