李世先輩は私のことを知り尽くしている?
「橘くんも、怖がらせちゃってごめんね」
「いえ、気にしないでください」
李世先輩が頭を下げると、和くんは首を横にふる。
そして先輩は、改めて私に向き直った。
「陽茉ちゃんの応援、届いてたよ。おかげでがんばれた。来てくれてありがとう」
「いえ、そんな!わ、私こそ、素晴らしいものを見せていただいて、ありがとうございました!」
李世先輩、ホントにカッコよかったなあ。
そう心の中で考えると、ぼっと先輩の顔が赤くなった。
かなり長いこと競技をしていたし、また暑くなってきたのかな?
熱中症とかにならなければいいけど……。