李世先輩は私のことを知り尽くしている?
競技を終えた俺は、軽く部員や顧問と話した後、スタンドへ向かった。
競技の終盤、かなり目立っていたせいで、他校の生徒や観客の視線を感じる。
顔を見ないように気をつけながら、スタンドへ上がった俺は陽茉ちゃんの姿を探す。
入り口付近に立って見回していると、奥の方の席に、さっきの男と一緒に座っていた。
近くで改めて見ると、顔立ちはけっこうハッキリしてるし、爽やかな好青年だ。
ちょっぴり人見知りで、話すことが苦手なはずの陽茉ちゃんが、弾むように会話している。
やっぱりあの男は、陽茉ちゃんと何かしらの関係があるんだろう。