李世先輩は私のことを知り尽くしている?
幼なじみ……?
なるほど。
二人だけの特有の世界が完成しているように感じられたのは、ともに過ごした時間が長いからだったってことか?
「なーんだ、そういうことか」
「そ、そういうことです!」
必死に誤解を解こうとしている陽茉ちゃんと、視線がぶつかる。
【まさか、和くんが彼氏だなんて……!確かに、小学生のときは、けっこうからかわれたけど……!】
そして、陽茉ちゃんの心の声が聞こえた。
どうやら本当に、ただの俺の勘違いだったようだ。
そう確信が持てたとき、どっと肩の力が抜けた。
自然と口元が緩む。
今なら、どんなに高いバーでも飛び越えられる気がする。
ああ、本当によかった。――あれ?