李世先輩は私のことを知り尽くしている?
「よーし、もう授業時間もわずかだし、さっそく発表するぞ!」
先生は李世先輩が運んできた少し大きい紙を、磁石で雑に黒板へ張り付ける。
「恨みっこナシ、変更ナシだからな!」
先生の言葉を皮切に、みんな一斉に立ち上がり、わらわらと黒板の前に集まる。
反応は人それぞれで、時折大声もあがり、軽くカオス状態だ。
私も早く確認したいけど、背が低いせいで、なかなか自分の名前が確認できない。
別のクラスのある子の名前は、ふと目に入ってきたけど。
人垣の周りをウロウロしていると、160センチある梓ちゃんが、「あーっ!」と小さく叫んだ。
「えっ、どうしたの?」
そう尋ねると、梓ちゃんは無言で私をひょいと持ち上げる。
「わわっ……」
なんだか恥ずかしいけど、おかげで視界が良好に。
目に飛び込んできた文字は――。