李世先輩は私のことを知り尽くしている?
次の週の総合の時間も、自然教室の準備に当てられていた。
しかも今日は、混合グループでの話し合い。
メンバーの顔合わせや、役割分担をするためだ。
まもなく二年生がやってくる教室内には、どこか浮足立った空気が漂っている。
「グループの人数分机を合わせて、まずは一年のメンバー同士で集まっておくように!」
先生の指示に、私と梓ちゃんは空いている場所を探して、机を向かい合わせにする。
5人分合わせ終わったけど、もう一人のメンバーが全然やってこない。
教室を見回すと、その子は私たちを探している様子もなく、後ろの壁に退屈そうにもたれかかっていた。
「古瀬くん、7グループはこっちだよ」
近づいて声をかけると、わずかに体が反応した。
長い前髪のせいで、表情は全く伺えない。
「……どうも」
そう小さくつぶやくと、のそのそと歩き出す。
そして、梓ちゃんの待つ7班の席の一つ、いわゆるお誕生日席に腰を下ろした。