李世先輩は私のことを知り尽くしている?
「よろしい。じゃあ次に、係決めをしようか。うちの班は、一日目の夕食係と二日目のキャンプファイヤー係が各二人で、同じく二日目のオリエンテーリング係が一人だね」
「キャンプファイヤー係って、なにをするんですか?」
「キャンプファイヤー係は別名ランタン係とも呼ばれていてね。二人とも、ランタン祭りって知ってるかな?火を灯した紙製のランタンを一斉に空に浮かせるやつ」
「もしかして、ラプンツェルの映画に出てくる、あの幻想的なやつですか?」
「そうそう、それそれ!」
ああ、あれか!
テレビで取り上げられていたのを見たことがあるけど、すごくキレイだった。
あれを自分たちでできるなんて、楽しみだなあ。
「仕事内容は、あれを1グループに3つずつ配るだけ」
よかった、それなら私にもできそう。
「じゃあ、なにか希望がある人はいる?」
「私は料理ができる方だと思うので、よければ夕食係をやりますよ」
「僕も、他に希望する人がいなければ、同じく」
梓ちゃんと遠見先輩以外、手を挙げなかった。
「二人ともありがとう。陽茉ちゃんは、食べる専門かな?」
「は、はい。全力で食べます」
うう、李世先輩、たびたび食べ物のことでからかってくるんだから。
私の答え方が面白かったのか、李世先輩だけじゃなくて、遠見先輩まで「ふっ」と口元をおさえた。