李世先輩は私のことを知り尽くしている?

シャッターチャンスで急接近?

毎週少しずつ準備を重ね、いざ迎えた六月の下旬。

六月ということで心配されていた天候も良好!


私たちは大荷物を抱え、二泊三日の旅が始まる瞬間を心待ちにしていた。


運転手さんは一列に並んだ私たちから荷物を受け取ると、バスの下部分にある収納スペースに手際よく入れていく。


晴れて身軽になった私と梓ちゃんはバスに乗りこみ、あらかじめ決めてあった座席に座った。


車酔いをしやすい梓ちゃんが窓側で、私がその隣。


全員がバスに乗り終えると、点呼をして、やがて前のバスに続いて発進する。



三年生の先生や事務の職員さんに見送られながら、バスは学校を後にした。


――みるみる小さくなっていく学校。


車内に流れる、非日常的な空気。


いよいよ、自然教室が始まったんだ……!


ずっと眠そうにしていたクラスメイトたちも目がさえてきたようで、はしゃぎ始める。
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