李世先輩は私のことを知り尽くしている?
「……い、いつから見ていたんですか……?」
「ごめん、オムライスが出てきたとこから……」
それ、ほぼ全部じゃないですか!
「陽茉ちゃんの食いしん坊は、お父さん譲りなんだね」
なんでこんなところが似ちゃったんだろう……はあ。
あんな写真見ちゃったら、お腹がすいてきたし。
ていうか、李世先輩には、情けないところばかり見せてる気がする……。
チラリと李世先輩の顔を見ると、軽く首を横に振った。
「ううん、そんなことないよ」
「え?」
李世先輩、何に対してああ言ったんだろう……?
「それより、陽茉ちゃんと葉山ちゃんのツーショット、海を背景にして撮らない?」
「と、撮りたいです!」
「オーケー、俺に任せて」
「菊里先輩、ありがとうございます。……はーっ、面白かったあ」
「もう梓ちゃん、笑いすぎ!」
「だって、ふいうちだったんだもん」
じゃれ合いながら、カメラに向かってピースする。
「いきまーす!はい、チーズ!」
角度を変えて何枚か撮ると、先輩は「こんな感じでどう?」と見せてくれた。
どの写真も、私と梓ちゃんの笑顔がおさめられていて、なんだかくすぐったい。