李世先輩は私のことを知り尽くしている?
一応うなずいておいたけど、正直、李世先輩の考えていることが、分からなかった。
私とつぼみちゃんのあんなやり取りを目の当たりにして、「仲直りできる」と言い切るなんて。
それもアドバイスというより、確信に近いなにかが感じられるくらいだ。
李世先輩の目には一体、どんな風に見えていたんだろう……?
「さ、そろそろ班に戻ろう。せっかくのカレーを食べ損ねちゃうよ?」
「で、でも……」
「いいから、行こ」
李世先輩は渋る私の手をとると、元来た道を歩き始めた。
李世先輩って、けっこう強引なところもあるよなあ。
ていうか、さらっと手、つないじゃってるし……!
――先輩とつないだ右手から伝わる、にじむような熱。
まだまだ落ちこんでいる私の凍った心が、少しずつ少しずつ、溶かされていくようだった。